GPS理論と応用


訳者あとがき から 
 「GPS theory and practice]を10年前はじめて手にした時、そのバランスのとれた記述に感心した。当時国土地理院では訳者の名付けた電子基準点というGPSを24時間連続監視する観測点を高密度に日本全国に張り巡らすという世界に例のないプロジェクトを立ち上げており、訳者もそれに携わっていた。 座標系や時系、衛星軌道といったGPSの基礎理論から実際のGPS測量まで目配りの利いた構成で記述されたテキストが無かっただけに、本書を翻訳できたらと思いながらも時間が過ぎていった。 2001年に改訂版が出版された時再度手に入れ、今回編集部の尽力で日本語版ができることになり、長年の思いがかなった気持である。 米国は2004年に12月にGPS政策を約10年ぶりに改訂し、GPS民生利用を保証するとともに、9.11をふまえて安全保障上の利用、保護を強化するためにもGPSの近代化を進めていく姿勢を示した。 一方欧州では新しい衛星測位システム”ガリレオ"の開発が進められている。 2004年12月に欧州宇宙機関ESAで開催されたガリレオのワークショップに出席した際は、2009年頃のガリレオ本格運用に向けて欧州が大きく前進を続けている様子を実感した。 将来はGPSとガリレオの相互運用が実現することになろう。
本書の最後にも述べられているが、GPSの利用は今後限りなく増えていくと予想され、思いもかけないような利用法がでてくる可能性もある。このような時にGPSの基礎理論から応用までを取り扱う本訳書が、GPSに関係あるいは興味を持つ技術者、学生の皆さんの教材としていくらかでも役に立てれば幸いである。



発行:丸善出版
ISBN:978-4621063354

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